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雑談

シンプルなのに複雑な料金プラン。携帯大手3社が絶対に辞めたくない割引を解説!

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割引解説

2019年6月に開始したドコモのギガホ、ギガライトのコンセプトは、「シンプル2択な新料金」です。とにかく、複雑な携帯料金プランを2種類に集約し、分かりやすくするというものです。

しかし、実際はどうでしょうか?

月額2,178円からスマホが持てると思っていたのに、機種代金が別だった、家族割を組んでいなかった、光をまとめていなかったなどの理由であれよあれよと料金が上がってしまい、こんなはずでは・・・と、頭を悩ませるユーザーが後を絶ちません。

シンプルなのに分かりにくいという矛盾した状況が発生していますが、これはドコモだけでなく、auもソフトバンクも同じです。そして、大手3社の料金プランは、これ以上簡単にはできないとも思います。

なぜシンプルな料金プランなのに複雑なのか、なぜこれ以上簡単なプランにできないのか、今回は携帯業界の本音について語ります。

Contents

大手3社が辞めない割引がある

割引解説

料金を複雑にしている理由として、家族割や光セット割の存在があります。

家族でキャリアやプランを揃えないと家族割が適用になりませんし、ドコモ光やauひかり、Softbank 光など、インターネットの契約も揃えないと光セット割が適用になりません。

これらの割引の有無によって毎月の料金が変わる為、携帯料金が複雑になっているのは事実です。料金を複雑にしている割引関連をまとめると、以下のようになります。

  • 家族割
  • 光セット割
  • スタート割(初めの6ヶ月・12ヶ月割引など)
  • 先取割(半額サポート、おかえしプログラムなど)

大手3社のタチが悪いところは、これら全ての割引が入った前提の料金を前面に出しているところです。

全員が全てのキャンペーンを適用できるわけではないので、「実際の料金が思ったより高かった。」という状況になるのも当然ですし、料金が複雑になるのも当たり前でしょう。

それではキャリアはこれらのキャンペーンを辞める、シンプルに値下げするといったことをするかというと、それは考えにくいです。キャリアがこれらの複雑な割引を辞めないのにも理由があります。

それぞれの割引には、キャリア側の目的があります。

家族割や光セット割の目的

家族割やセット割はドコモ、au、ソフトバンクいずれも行なっていますが、割引額も大きめに設定されています。

例えばドコモの場合、ドコモ光にまとめるとスマホの料金が1回線につき最大1,000円、永年で割引されます。「ギガホ」で4台契約なら合計4,000円割引なので、かなり大きいですね。

また、ドコモの家族割は「みんなドコモ割」で、ファミリー割引に3人以上の家族がいれば1回線につき最大1,000円、こちらも永年で割引されます。3回線以上ならギガホから1,100円割引、これも家族4人なら最大4,000円の割引なので、かなり大きいです。

家族割や光セット割は条件を満たせば、永年で割引が入るのが特徴です。ですが、なぜ家族みんなでケータイも光もドコモでまとめると、1人頭2,000円も安くなるのでしょうか?

家族割や光セット割が強い理由は、これらの割引が携帯解約抑止に強い効果を発揮するからです。実際、固定回線がドコモ光、さらに「みんなドコモ割」で家族全員が割引を受けているとしたら、他社に乗り換えようとは中々思いません。

まず、乗り換え自体が面倒ですし、自分がドコモを抜けると家族の割引が変わってしまう可能性もあります。家族全員でau光、auのスマホに乗り換えるという手段もありますが、家族全員で予定を併せて乗り換えるというのも中々面倒です。

そのため、家族割や光セット割の類いの割引は2年後も継続される傾向にあります。2年後に割引がなくなってしまったら、解約の抑止力が弱くなってしまいますからね。

今後、スマホの2年契約の違約金が1,000円になるという話がありますが、それでも光セット割や家族割を組んでいれば、中々解約には動きにくいでしょう。

これらの割引は、もちろん新規獲得にも効果がありますが、長期で割引になる、それ自体が縛りになるという視点から考えると、解約抑止に重点を置いた割引と言えます。

スタート割の目的

正式には「スタート割」という名称ではありませんが、新しい料金プランに加入すると〇ヶ月〇円割引という類いの割引も、ドコモ、au、ソフトバンク全て行っています。

これもドコモを例に取ると、2019年9月30日までにギガホに加入すると、ギガホ割で最大6ヶ月間、1,100円割引が入ります。

他にもガラケーからスマホに切り替えると、「はじめてスマホ割」で最大12ヶ月間1,000円の割引が入ります。すでに終わってしまいましたが、学割でも3ヶ月0円などCMが良く流れていましたね。

これら「スタート割」の目的は、見た目の月額料金を安く見せる点にあります。

TVやCMなどで、スマホが月額○○円から持てる、なんていうキャッチフレーズを見たことがないという人は流石にいないと思います。あの値段表記、スタート割が含まれているプランの場合には、必ずと言っていい程スタート割込の料金表示となっています。

これもドコモを例に取ってみます。ギガホは月額料金7,678円(税抜)です。実際にはこの料金に通話料金と端末代金、補償などのオプション料が別途かかります。

月額7,678円から光セット割と家族割でそれぞれ1,000円値引きされれば、月額5,478円から使えます。さらにギガホ割適用で、今なら最大6ヶ月間1,100円割引になります。そうすると、月額5,478円のギガホが6ヶ月間は4,378円から使えるようになります。

スタート割は、新料金プラン発表時の常套手段で、「新しい料金プランが安く見える」という、キャリア側のメリットがあります。

現在のスタート割を含めた料金表示は、格安SIMを強く意識しています。

例えば、CMでワイモバイルが1,628円から使えると見た人が、ドコモは6,578円からと言われると差額が大きいですが、ドコモでも3,278円からと言われると思ったよりドコモも安いと見えてしまうのではないでしょうか?

ちなみにUQモバイルやワイモバイルが1,628円からというキャッチフレーズを好んで使いますが、あれも最初の1年間のみです。スタート割の目的は、格安を意識した料金表示と新料金プランの安さアピールです。

スタート割を含めた月額料金を前面に出すことで「お得感」を出しますが、キャリア契約は長く結ぶ人が多いので、数年間の総額で確認しないと思ったより出費が多くなるリスクがあります。

先取割の目的

割引解説

現在は、今使っている端末を次回機種変更時に返却することで割引を受けられます。

ドコモなら「スマホおかえしプログラム」、auなら「アップグレードプログラム」、ソフトバンクなら「半額サポート」がそれにあたります。

分割で購入するのに返却なら、レンタルじゃないか?と思うのですが、その代わり割引額は最大12ヶ月分、最大半額と、かなり大きいのが特徴です。

現在は先取り形式で割引が適用になりますが、ソフトバンクが半額サポートを発表する前までは下取りキャンペーンに力を入れていました。下取りキャンペーンの時から共通した先取割の目的は、格安SIMへの端末流出の防止です。

SIMロック解除の規制が弱まることで、キャリアで購入した機種を大手他社や格安SIMで使用するハードルが下がりました。しかし、下取りを強化すれば中古市場に端末が流れず、しかも大手キャリアは端末のみの販売を行いません。

格安SIMが普及しないもっとも大きな理由が「よくわからないから」だと言われていますが、仕組みを知らない人が自分で端末を探して契約というのは、かなりハードルが高く感じると思います。

また、下取りにはもう1つの狙いがあり、新しい端末を分割購入することで、長期契約が見込めるというメリットもあります。

先取割では、長期契約のメリットがより強化されるようになりました。また、先取割の目的は中古市場への端末流出の防止と、残債による縛りがあります。

「端末を返却する」という条件を設けることによって、今使っている端末を格安SIMに流して使うのも難しくなり、他社に乗り換えようとすると残債分も解約抑止に繋がります。

キャンペーンと引き換えに縛られる

大手キャリアのキャンペーンとその目的を見てきましたが、意味のないキャンペーンというのはそもそもやらないと思います。

スタート割を含めた月額料金で新規ユーザーをキャッチし、家族割、光セット割で家族を巻き込んで解約しづらくし、先取割でずっと縛っていく、と考えると、キャンペーンを適用されるほど「いつの間にか縛られている」という見方もできます。

新規乗り換えを検討する時は、キャンペーンのお得額だけでなく、条件を外れた時のデメリットも視野に入れておいたほうがいいかもしれませんね。

オンラインショップで購入すると、頭金(相場5,000円~15,000円)がかからないため、店頭よりも安く購入することができます。さらにドコモは事務手数料(2,200円もしくは3,300円)もかかりません。

公式:ドコモオンラインショップ

公式:auオンラインショップ

公式:ソフトバンクオンラインショップ